ドライシェリーをベースにキリッとした味わいの「バンブーカクテル」は、明治時代に日本で生まれたカクテルです。
戦後、マッカーサー元帥が常宿としたことでも有名な横浜ニューグランドホテル。1889年、その前身である横浜グランドホテルに、メインバーのチーフバーテンダーとして着任したルイス・エッピンガー氏が日本をイメージして考案したのがこのバンブーカクテルです。
横浜という土地柄、多くの外国人を向かえ入れるホテルバーのオリジナルカクテルとして、彼の表現がマウントフジでもゲイシャガールでもなく、バンブー(竹)という日本の「静」の価値観に向けられたのは実に興味深いものです。
まさに黄金竹のような美しく澄みきったこのカクテルは、今や世界中のカクテルブックに載るほどスタンダードなものになりました。
辛口で香味のある味わいはアペリティフとしても最適です。お食事前にバーに立ち寄って楽しまれるのもいいでしょう。
話は逸れますが、80年代初頭にデビッド・シルビアン(英国のロックバンド「ジャパン」のボーカリスト)が坂本龍一とのコラボで、やはり竹をイメージした「Bamboo Music」という曲を作りました。
バンブーカクテルをお作りしている最中に、ついこの曲が頭の中に流れてしまうバーテンダーは私だけでしょうか…。
南青山骨董通りの地下でお待ちしております。